日本史との出会い。

小さい頃から父の机の上に司馬遼太郎の小説が乗っていた。ルビが

付いていたので幼稚園児の私にも読めたのです。最初は「新書太閤記」でした。

観音寺潮五郎にも手を出しました。父親がジュニア用の百科事典を買ってくれて、第10巻が歴史でした。父の部下が我が家に集まって食事をしていると、その百科事典を持ってお客さんたちに質問攻めしたようです。

大河ドラマは「天と地と」の石坂浩二演ずる上杉謙信の軍勢の馬のいななく声が聞こえ、霧の中から上杉軍が現れてくる。上杉謙信が左右を確認し、合図を送ると、上杉謙信を先頭に上杉軍が三角形の陣形で突っ込んでいく。BGMは琵琶の音でした。ちょうど小学校3年生は騎馬戦でした。私は生意気に相手の陣形は「鶴翼」だから、こちらは「魚鱗」で大将首を狙い提案する。そこに大河ファンの先生が「天と地と」のBGMを流す。

中学校の社会科の先生で厳つい顔で「鬼」と言われてました.その「鬼」から声を掛けられました。

「明日からお前が授業をやりなさい」今考えてもとんでもない教育方法です。なにしろ伊勢佐木町有隣堂へ行って「自由自在」をはじめ何冊かの参考書を買って帰り、授業案を作り、板書計画を練りました。私も教師生活の中で機会があればやってみたい実践でした。だから「鬼」はすごい先生でした。

そういう意味で高校の日本史の先生は新卒でやる気満々でしたが、私にことごとく鼻を折られ、最後の抵抗は128点満点のテストでしたが、オールクリアされました。

トドメの年賀状に「歴史とは現代と過去の対話である(E.H.カー)」の言葉を送りました。