もう45年前、母は身体障害者として毎日苦しい生活をしていた。そんなところへある宗教団体が「お気持ちを察します」と接近してきた。母は言われるがままこれは効き目がありますを購入し続けた。そして妹にも手を伸ばしていった。私は彼らにとっては難敵と見られていたようだ。それでも私にも青年部の集まりがありますから参加してみませんかと声をかけてきた。私はそれに乗ってみた彼らがどういう思考回路をしているのか試してやろうと思っていた。その話の中で選挙運動である政党を支援しましょう。話が進んで行った。
私は質問した。「あなた方はこの政党を支援されるのですか?」その時の答えが「仏縁です」というものだった。まず憲法の「政教分離」の原則に明らかに反している。これが彼らの実態であることを理解した。
それからもうずいぶん時代を経ている。その政党は今は政権与党側にいる。「生活者のために」と防衛費の増額に賛成している。その宗教団体の婦人部が集票マシンとして活躍している。
私は社会科の授業でなぜ日本国憲法でなぜ「政教分離」が生まれたのかを話している。ところがある時、私の高校時代の同級生からその政党への投票を呼びかける電話をもらった。私はキッパリ答えた後、連絡は絶えた。
まだ日本の憲法教育はまだ道半ばであることがわかる。