地図記号の覚え方

中学一年生の社会的。私は地図記号から入ります。地図記号のいわれがわかれば、暗記科目というイメージでないスタートができます。例えば田の記号は稲穂のの絵を描いて上の部分を消せば、田の、記号のできあがりです。かつては水田とそうでないものが区別されていました。それは戦いになった時に、水田を渡るのは難しいからです。もっと遡ると深い水田の記号もありました。かつての新潟平野などは田船で稲刈りをする風景があります。現在では大河内分水によってそういう面影ははなかなかわかりませんが。そういう由来を一つ一つ踏んで考えてみると面白いのです.教科書の表をいきなり頭に入れさせられたら覚えたくもなくなりますよね。よく出てくるのは畑ですね。これは地面から目を出した双葉のマークです。桑はなぜY字なのか?実際に桑の木を見れば一目瞭然です。そして、横に出ている線は「影」です。高いものには影ができるのです。果樹園は実に影です。そういう記号を見ながら土地利用図を書いていくという作業をしていく。そしてそういう土地利用と水との関係を考えるとどういうところにはどんな土地利用があるかつながりますね。

そういうことを考えさせながら作業すると、自分なりの意見がまとまりませんか?お互いに作った土地利用図を見せ合いながら、話し合いを持っていく。

さらに明治時代の迅速図などと合わせて見ていくとさらに面白いことがわかります。本当に昔の人たちの土地利用は理にかなっているのです。逆に現在の土地利用はかつて水が溜まっていたところを住宅地かいはつをして、かつて、乾燥していて水害から免れていた自然堤防を散歩道にしてしまう。昔の土地利用図と比べていかに今の住宅地開発が理に適っていないかとがわかります。災害に遭って初めてわかるケースがなんと多いことか。昭和30年代あたりでも、よくわかります。

地図記号を知っているということは自分たちの生活に役に立つんだ。となってくれば生徒も一生懸命に色塗り作業を進めます。これは私の授業のはいりでした。自然と地形の用語も頭に入ります.自然堤防、扇状地、後背湿地….そこで何が作られているか?楽しくなりませんか?

そういう地理の授業から入っていけば、地理の用語には「理由」がある。と納得できるのです。

教科書通り「縮尺」なんかから入ったら、もうすぐに地理嫌いを作ってしまいます。

しばらくは作業しながら、自分なりに発見ができていけば地理の授業は楽しくなります。

それから3年間を見通して世界地理ではプランテーションなどはバナナのラベル集めから入って、多国籍企業による単一栽培を指摘しておく。授業の工夫ってそんなふうに転がってませんか?

そういう意味ではひたすら教科書を抜き出して穴埋めを繰り返していくと学習することの楽しさからどんどんと遠ざかってしまいます。覚えることが得意な生徒にはそれで良くても、そうやり方の苦手な人生徒もいます。

現役の先生方へもっと授業の工夫をして下さい。きちんと生徒の頭に残る授業をして下さい。先輩達はたくさんの実践例を残しているはずです。

話はまた戻りますが、時間があれば、地質図にも手をだしていくと、もっとふかぼりできます。まさに「ブラタモリ」の世界へ進んでいきます。ここの岩石はこういう性質だから…。と進んでいきます。すると山の形や植生を見るだけでいろいろなことが想像できるようになります。自動車で移動しながら周りの景色を見てあーでもないこーでもないと創造の翼が広がっていきます。そして後で図書館などで裏付けしていく。楽しくありませんか?机上でいくらやっていてもしょうがないのです。足を運びましょう。現場へ行って見ましょう.すると地場産業など共繋がって来ますよ?なんて楽しいのでしょう。そうすればさらにお店に入った話を聞いてみましょう。基本的に教師側がそういう蓄積を持てば、もっともっと生徒に伝えることは増えるはずです。地理も歴史も公民も足で稼いで下さい。