お前の味噌汁は世界一だから

妻は3食全部自分で作るということにアイデンティティを持って台所に立っている。しかしらそれがある意味、過信を生んでいる。妻は悩んでいる。もし、自分が介護サービスを受けるようになった時、誰が食事を作るのか?現在、娘が夕食作りの訓練中である。しかしもう少しもうしばらく家族全員の食事作りに自信がつくまでにはしばらく時間がかかる、息子も毎日の皿洗いで精一杯である。しかし、もう家が維持できなくなればそれぞれ施設に入ります。そこでは料理当番や買い物当番などが回ってくる家の中のように上げ膳据え膳というわけにはいかないのでまだまだこれからトレーニングが必要でそれを私は見守っています。

一方で妻の介護サービスの利用について私や生活支援センター、訪問看護師の間で共通理解は進んでいるがどれだけ本人自身が踏み出そうと思ってくれないとうまくいかない、実際、義母のケースで意固地になられて家族による介護という形になってしまった。認知症になってもしっかり手を打たないまま過ごすことになったことにいろいろな問題点が発生することになった。

まずは妻が介護認定を受けて介護施設を利用してみようと思う方が第一である。

妻は私がいない時の食事はどうするのと開き直るが、これは私がデイケアでの調理経験をしばらく活かすしかないのだろう。

「あなた、味噌汁をつくれるの?」と言ってくるので「作れるよ」という。しかし、その前に私は家事をどこまでしてるのかい?私もさらに朝食作りまでになれば相当な負担になる。「お前の作る世界一の味噌汁は私にはできない」と言って「朝食作りはやはり任せたい」と納得させた。

朝食中に「あなたは私と散歩してくれるの?」「1時間程度なら付き合うよ」「1時間も歩きたくないわ」「平台まで上がっていけば新しいケーキ屋さんがあるよ」「遠いし、ケーキなんか食べない」「むくの実亭でお茶しようか?」「話すことなんかないわ」

こんなやりとりです。

本当に前を向いてくれるまでまだ時間がかかりそうです。