歴史総合の見方・考え方をささえる5つの視点
1.世界史と日本史を総合的につなぐ!
①近代化
②大衆化
2.変化とその歴史的意義を考えよう!
「どう変わったのか?」を考える
近代化と大衆化を結びつけて考えてほしい
3.問いを中心にして学習しよう
歴史総合の毎回の授業の目的は、その問いについてさまざまな角度から考える
問いに対する「考え方」をマスターすること
4.歴史は資料からできている!
教科書の本文に書いてあることはとりあえず事実だと考えておくこと
教科書や図表ののっているさまざまな資料から事実を読み解く
統計グラフをどう読み取ればいいのか?
資料から読み取れる事実関係→その事実の歴史的な意味を考える
授業で扱う概念にからめて歴史的意味を考える
新しい歴史像をつくる=そのためののノウハウを学ぶ科目
5.現代的視点から歴史を深める!
歴史は遠い過去の話というだけでなく、現代を生きる私たちと関係している
過去の歴史は現代とつながっている
因果関係
現代人の視点で歴史の新しい意義を発見する
教科書は産業革命から始まっていない
「通史主義」は重視しなくてよい
近代化以前の国家や社会のシステムがどうであったのかを理解しなければならない
アジアとヨーロッパの関係の変化を理解する
典型的なヨーロッパ中心主義にならないように、冒頭で近代化以前のアジアとヨーロッパの関係を学ぶ
私が非常勤講師としてやりたかったことはこれである。
例えば私は生徒たちに何度も「戊辰戦争は本当に必要だったのか?」と
問いをもうけた。しかし、穴埋めプリントに入る人名が西郷隆盛であったり大久保利通であったり坂本龍馬であったりする。従来の史観からまったく踏み出せないのである。
NHKスペシャル「新・幕末史」では世界史的視点から日本がどのような状況に置かれていて幕臣たちが10年間にわたっていかにイギリスを中心とした列強と渡り合っていたかが描かれている。そこには西郷隆盛も大久保利通も坂本龍馬も出てこない。
考えてほしい総理大臣の出身県で一番多いのは山口県である事実であることを知っているだろうか。なぜそうなの考えたことがあるのだろうか。疑問を持ってもらいたいことである。日本の政治家の体質がどういうものであるかを考える格好の材料であり、今まさに政治の世界で問われているのはこの構図そのものではないのだろうか。
「明治維新」はけっして「市民革命」ではない。「赤報隊事件」を見ればよくわかることである。いかに民衆は切り捨てられていたか。その後の自由民権運動を考えればよくわかることである。「明治維新」とは政治クーデターである。それゆえ「維新」と名付ける政党の構成メンバーたちの考え方の危険性が実はよく分かるのである。
新政府軍は「御一新」という用語を使いながら、民衆政策は「五榜の掲示」のようにまったく旧幕府時代とは変わっていない。民衆はダマされていたのである。
もしも「維新」を名乗る政党に政権を取られるときにどういう政治が行われるか今のうちから理解していないと大変な目に遭う。
良い例が横浜市の元中田市長である。彼が辞めるにあたってどういう負の遺産を残してそれから抜けですのに10年以上もかかったことを私たちは忘れてはならないと思う。
彼が横浜頴娃西口で応援演説をしていたと聞いて、どの面下げて横浜にかえってきたのかと問い正したい。横浜泊横浜博」の大赤字について何の説明もせず逃げ去っていった人物を信じられるだろうか。
政党名のセンスの問題ではなく、政党そのものの信念が何であるか。垣間見えないだろうか。