本当の権力の所在はどこなのか?

2009年9月、戦後初の本格的な政権交代が起こった。国民の支持も高かった。当時はそういう大きな期待を集めた政権でした。

けれども2009年9月に成立した鳩山政権は、わずか9ヶ月しか続きませんでした。

最終的に鳩山政権を崩壊させたのは,米軍'普天間基地の、県外または国外への「移設」問題でした。外務省自身が「パンドラの箱」と呼ぶ米軍基地の問題に手をつけ、あっけなく政権が崩壊してしまった。「戦後初めて本格的な政権交代を成しとげた、誰が見ても危険な外国軍基地をたったひとつ、県外または国外に動かそうとしたら、大騒ぎになって失脚してしまった」という事実です。つらい現実ですが、ここをはっきり見ないといけない。しかも鳩山さんの証言にあるように、そのとき外務官僚・防衛官僚たちが真正面から堂々と反旗をひるがえした。

普天間の「移設」問題が大詰めをむかえた2010年4月6日、鳩山さんが外務省と防衛省内閣官房から二人ずつ首相官邸に呼んで秘密の会合をもち、「徳之島移設案」という最終方針を伝えた。そのあと酒をくみかわしながら、

「このメンバーで、この案で、最後まで戦っていく。力を合わせて目標にたどりつこう。ついてはこういった話し合いが外にもれることが、一番ダメージが大きい。とにかく情報管理だけは注意してくれ」と言った。

「これからの行動は、すべて秘密裏に行なってくれ」と念を押したわけです。

しかし、その翌日、朝日新聞の夕刊一面に、その秘密会合の内容がそのままリークされた。つまり、

「われわれは、あなたの言うことは聞きませんよ」

という意思表示を堂々とやられてしまったわけです。官僚たちは、正当な選挙で選ばれた首相・鳩山ではない「別のなにか」に対して忠誠を誓っていたと、鳩山さんは語っていました。

この鳩山さんの証言は翌年,彼が首相を退陣してからちょうど一年後の2011年5月に「確かな証拠」によって裏づけられることになりました。ウィキリークスという機密情報の某露サイトが、この問題に関するアメリカ政府の公文書公開したのです。

その内容は、日本のトップクラスの防衛官僚や外務官僚たちがアメリカ側の交渉交渉担当者に対して

「(民主党政権に対し)早期に柔軟さを見せるべきではない」とか、

「(民主党の考え方は)馬鹿げたもので、(いずれ)'学ぶことになるだろう」などと批判していたという、まったく信じられないものでした。

 

この記事を読んでいて、現在も「政権交代」が実現したとしても、また、官僚たちは「別のなにか」に忠誠を誓い続ける限り、いつか元の木阿弥になります。

 

アメリカの場合は「政権交代」とともに「官僚」が総とっかえにになり、たくさんのダンボール箱が行き交う仕組みです。

日本では官僚たちがすべてのデータを握っていることにある。その際、国民への情報公開が絶対に必要になると思う。

「裏金問題」でも自民党はそのブラックボックスに手を触れさせまい、としているのは明らかである。そしてそれによる既得権益に群がる企業団体の存在まで踏み込まなけば、本質的な解決はないと思う。