こんな素敵なチームはもう二度とありません

前の年に二度と浜中はシードしないと言った平木先生もこのチームは第一シードにせざるをえめせんでした。最初は好美と実紀だけしか、対戦相手は見えてなかったと思います。明子があんなにスピードがあるとは、気がついたでしょうか。冬の大会前は明子が腰痛。岡村のシングルスに区大会の準決勝で敗れてしまいました。しかし、浜中の底力は第二シングルスの千恵が決勝に勝ち上がり、岡村中のシングルスに勝って優勝しました。

市大会の抽選会。明子がどこになるか心配でした。ところが南が丘中の顧問の先生が明子をシードに推薦しました。市大会、明子は市大会を勝ち抜き、県大会でその実力を遺憾なく発揮しました。

もしも、あのとき、千恵が頑張ってくれていなかったら、と思う時ゾッとする展開でした。

内田先生も県大会で初めて明子のスピードを見て、「強い子ちゃんマーク」を、つけました。

そして、部分けの試合です浜中はうまく1部になりました。安定した戦いぶりでした。奥のコートで南が丘中と御幸中が大接戦の末に御幸中が1部、南が丘中が2部になりました。このことが夏の大会に大きな影響を影響が、あったと私は思います。

4月、5月の1部の6校で善行中は別格でした。第二第三、第四シードをめぐって、熾烈な戦いになりました。三校とも一長一短がありました。塚越中はダブルス2つ強いのですが、シングルスが弱い。大清水中はシングルスは強いけれど、ダブルスはそれほどの突破力はありませんでした。浜中は第一ダブルスとシングルスは強いけれど第二ダブルスに難があると見られていました。第二ダブルスの華代とグッサンは身長はあっても不器用なダブルスでした。特にグッサンは千恵の方が上手なのに…。と自信が持てないでいました。案の定、グッサンは集中攻撃されました。私は耐えるしかありません。

とにかく地道な練習しかありません。

そして、5月は浜中は塚越中が初戦でした。塚越中のダブルスの4人はそれぞれシングルスでも一級品でした。強敵です。塚越中の顧問も余裕の顔をしていました。ここで番狂せが生じました。トップダブルス同士の戦いで好美と実紀が勝ちました。塚越中の顧問は青ざめ、「帰る、帰る」と、叫び、ドアから出て行こうするところを川崎の先生方がおしとどめました。そして、シングルスは明子が完勝しました。塚越中の顧問は半ベソ状態です。しかし、塚越中の第二ダブルスには華代とグッサンはまだ、通用しなかったです。

善行中にはまったくはがたちませんでした。

越中はダブルスの力で大清水中を破ります。私は本部にいて、審判用紙の集計し続けていました。事態は1点を、争う展開になっていました。大清水中との対戦は第一ダブルスは好美と実紀が勝ちました.、シングルスは大清水中が勝って、第二ダブルス勝負になりました。大清水中も、勝ったと思っていたようです。ところが華代とグッサンの懸命な戦いが始まりました。1点、1点の争いが始まりました。本当にどちらに転がってもおかしくない展開でした。これは大清水中の顧問にとっては意外な展開でした。なぜこんなに浜中の第二ダブルスがいつのまにか強くなったのだろう。焦りのいろが見えました。最終的には大清水中が勝ったのですが、私は得失点の計算を始めました。そして、結果がでました。第二シード塚越中。第三シード大清水。第四シードか浜中でした。塚越中のは万が一、浜中と当たったらどうしようと、最後まで私の計算を覗き込んでいました。決まった瞬間、ほっとした顔をしていました。大清水中は夏の大会のオーダーをどうするか悩み始めました。他県を招待して行う神奈川オープンで一回戦、群馬県邑楽中と対戦しました。

第一ダブルスがげきせんになってしまいました。さすがに群馬県の一位チームのダブルスです。、好美と実紀は負けてしまいました。これまでの浜中ならたとえ明子が勝っても第二ダブルスが勝てるかどうかわからずズルズル行くところでしたが、シングルスで明子がしっかり踏みとどまると、華代とグッサンは相手の第二ダブルスを打ち崩しました。

ずっと華代とグッサンを使い続けた成果がでてきました。たとえ不器用に見える二人であっても、一つ間違えれば上から打ち込まれるのは実は相手にとって脅威だったのです。我慢して、我慢して使い続けた結果、自分たちの長所がわかったようです。そして、強化練習会での一点差勝負の経験。この積み重ねが夏の大会への布石になりました。

夏の大会が始まりました。千恵は欠かせないですが、ここまで明るいチームを作ってきたゴンはどうしてもはずせません。涼夏は体力的に厳しいので2年生の橋本と由佳にしあいをさせて、ゴンと由佳でだぶるすをくませました。せめてもゴンには夏の大会に出したかったです。

純子と由佳の、ダブルスはお預けにしました。

市大会は第一シードとして順調に決勝まで勝ち上がりました。対戦相手は予想通り、南が丘中です。南が丘中はオーダーを入れ替えてきました。シングルス、第二ダブルスで逆転勝ちを狙ってきました。

好美と実紀は瞬殺でした。

放送部がビデオで記録していましたが、まったく相手になりませんでした。そうなるとシングルス勝負と周りの先生方が集まってきました。

しかし、第3コートで華代とグッサンが今まで歯が立たなかった南が丘中の第一ダブルスとファイナルまで持ち込んでいます。明子は第一ゲームは落としましたが、次第に相手のスマッシュコースをよく読んで粘り続けました。次第に練習量の差が出てきたのでしょうか。むしろ明子がスマッシュを打つ方にまわっねきて、第二ゲームをとつて、第三ゲームに入ると、明子のスマッシュが次々と

決まっていきます。放送部なビデオは優勝の瞬間を狙ってビデオを回し続けています。そして、その時がきました。明子のスマッシュが決まりました。初優勝の瞬間です。歓声があがり、第3コートで試合を、していた華代とグッサンも試合をおっぼり出してあきこを囲みます。第三コートの審判の先生から審判用紙にサインしなさいと戻されます。

私は野庭中の田中光顕先生がすぐ駆け寄り、わたしの手を強く握って「苦労したもんな、苦労したもんな」と一緒に喜んでくれました。

 

県大会は磯子スポーツセンターでした。私は試合前に、学校のコンピューターてソリティアをして運試ししてから、出発しました。その日は一発クリアでした。順調に勝ち上がりました。途中、東永谷中のシングルスは明子と似たタイプで苦戦するかなと、思ってましたが無事、勝ちました。

磯子スポーツセンターでは第一体育室第二体育室で同時進行で試合が進んでいます。そんな時、逐一、試合経過を報告に来てくれたのが千恵です。一度でいいから千恵を県大会のたたせてやりたいのですが、ベストオーダーで戦ういがいありませんでした。審判用紙を作り、結果をまとめる書記の仕事は際限なく続き私は本部席から離れられません。千恵の戦況報告にずっと助けられました。千恵が「男子が…」と報告にきました。だんしだんたいも県大会出場していたのですが、シングルスの川島がかちつづけ、次々とかちあがり、平塚の旭陵中に顧問の先生から見ればノーマークだったはずなのに、シングルスは負けても第二ダブルス勝負でなんとかなるだろうと思っているところで浜中の第二ダブルスが善戦しているのです。旭陵のせんせいがあたふた始めました。第二ダブルスの一人、村山は生徒会長で7時近くまで生徒会の仕事をしてます。ところが体育館ではライトが煌々としてます。実は学校開放に携わっていた私は平日の6時から7時まですべてバドミントン部が使用するようにしていました。浜中が県内ナンバーワンの練習量の秘密はこれでした。村山はたとて、7時ギリギリでも5分でいいからうたせてください。と言って頑張ってきたつみかさねがありました。さすがに冬の暗い中女子をそれぞれ帰すのは危険なので、全員私のワゴンで、それぞれの家まで送り届けると、夜9時。それから仕事を始めて、家路に着く頃には日付がかわってました。翌朝p6時前に体育館でバドミントン部員を待つ生活が続きました。

 

女子の準決勝は善行中でした。完敗でした。

そして、3位決定戦に、回りました。相手は大清水中です。大清水中の顧問の先生はここでスペシャルオーダーを組んできました。ダブルスをそれぞれ分けて、第二ダブルスを強化してきました。明子がまけて、一対一。そこで第一ゲームは取られましたが、第二ゲームを取り返しました.やっと私は本部席から離れて、監督席につきました。私はいつもの練習どうりやりなさい。というものでした。しかし、ジュニア出身のチームから見れば打ってきてもらった方がリズムに乗りやすかったのかもしれません。明らかなあ私の采配ミスだったと思います。団体戦をやずれて、残る個人戦、好美と実紀が負けてしまいました.シングルスはかなり競争率が高いです。どこにどんなシングルスが隠れているかわかりません。しかも一回戦は昨日敗れた大清水のシングルスです。

そこで明子に秘策をあたえました。

明子の持つスピードを、封じて、ドロップとクリアの組み合わせにしました。これが功を奏して一回戦を突破して、かちあがり、準決勝で御幸中のシングルスとの激戦に、勝って関東大会出場を決めました.

 

しかし、このチームが何より素晴らしかったのは、そのチームワークの良さ、好美の優しさがチームカラーになり、純子や由佳、加世子が、安心して、バドミントンを楽しめる雰囲気を作ってくれました。

とにかくチーム全体がバドミントンを楽しんでいることが伝わりました。

 

シングルスを、誰にするかは、他の学校の先生から好美の才能を高く評価している先生もいらっしいました。確かに好美は一つ一つのショットの後ホームポジションに戻り、相手の次のシャトルに対応できる子でした。他にメンバーがなければシングルスにしたかもしれません。ただ実紀の才能を活かしてくれるのは好美以外にはなかったし、明子という、浜中伝統の早いシングルスの素質を持った子がいたからダブルスに、回せました。

 

好美の素晴らしさは由佳が部活について偏見なく入部してきた際、あの笑顔で迎えてくれたことで由佳の気持ちもほぐれただろうし、純子と由佳のダブルスができたと思います。