走るのは嫌い!

自分が中学生時代、先輩から長い距離を走らせられました。それが私は大嫌いでした。当時はうさぎ跳びはさせられる(巨人の星の影響)。腕立て伏せ、足を伸ばして腹筋させられて、水は飲ましてくれないし…。今、考えたらどれだけ非科学的な時代です。初めてバドミントン部の顧問になって、鶴見区の大会で私が受け持った2年生のポテンシャルは純子、由佳、好美、実紀クラスでした。2年生冬の新人戦でシングルスに準優勝一人、ベスト8一人、ダブルスもベスト8。はっきり、前任者の先生の指導の賜物でした。練習試合の声もかかるのですが、嫌がってばかり、たとえ引率しても相手校の体育館で試合と試合の間に跳び箱やマットで遊んでいる状況でした。私もまだ当時は練習法も知らず、ただ見ているばかりでした。そして、3年の夏、彼女たちはわがままなオーダーを要求してきました。私は何もいえませんでした。そして、区大会で敗退しました。負けてもニヤニヤしていて、何の気持ちもかりませんでした。 一方、その後、大綱中、末吉中で指導をしていた菅野先生は一人でも負けると部員全員がコート一周うさぎ跳びをさせていました。すぐ下の学年も私を完全舐めていて、まともに練習に取り組もうとしませんでした。ただ自分でさまざまなバドミントンの練習方法の本を購入して読みました。そして、新入生が入ってきてから、基本的な練習を始めました。寺尾中は裏の木戸を開けるとそこは三ツ池公園でしでした。池の周りを走るコースと坂道を上がって尾根伝いに走るコースと2つあったので時々使うことはありました。まだ私も若く先頭に立って走ることができました。しかし、バドミントンはいかにコート広さを身体に染み込ませ、その広さの中をできるだけ早く動く練習することの方がずっと大切だと考えてました。そうするとあまり長距離走に時間をかけるのは時間の無駄だと思います。それならばより正しいフットワークを身につける方がきっと勝てるし、怪我もしません。同じ鶴見区で全国クラスだった矢向中も鶴見川の土手をランニングする姿がバドミントンマガジンに出てました。しかし、私はその矢向中の金井先生からチャイナステップを教えてもらいました。どちらが基本練習だったのでしょう。

また、私が幸運だったのは保護者の一人からやってはいけないトレーニングを教えてもらったことです。

その後に巡り合ってきた生徒から見れば大したことのない生徒だったかもしれませんが、男子の生徒たちと何度も何度も「試合」をしてました。顧問としてプライドをかけて「試合」をしてました。「練習」と「試合」では大違いです。普段から「試合」をしていれば本当の試合で本来の力が出せると思いました。女子にも同じ姿勢でした。絶対に負けない「試合」をしてました。体育館が使えなければ室内用のネットで細かく練習すればいいと考えてました。そこではネットの高さを常に身体に覚えるようにしました。やるべき練習もたくさんありました。

だから誰かがミスしたからといって全員にうさぎ跳びをさせる必要ないし、まして、外で長距離を走って来させる必要はどこにあるのですか?長距離を走らないとスタミナがつかないと言っている顧問もいますが、バドミントン部の顧問ならカードの中で、コートがいっぱいなら体育館の中でフットワークやインターバルトレーニングでスタミナをつけられないですか。また、それ以前に正しい足の使い方、ラケットの使い方の指導もなく、やみくもに打たせていて、楽しいかもしれませんが、本当に正しいバドミントンにつながりますか?そういうことをおろそかかしておいて、こいつは上手い。こいつは下手だと振り分けるのですか?あざみ野では一年から三年まで同じ基本練習をすることが日課でした。上級生であろうと、下級生であろうと、きちんとスイートスポットを捉えられるかどうかは、学年は関係ないと思います。そういうことを疎かにしていて指導はできるのでしょうか。上級生が顧問の陰で細々と下級生にルールを押し付けるようなことで一つのチームは作れますか?

ミスした罰で長距離を走るのならば顧問も一緒に走ったらどうですか?そんなミスをさせてしまう指導が未熟であることを顧問自身が感じたらどうですか?

私もそういう考えに至るまではいろいろと失敗を重ねてきました。

今の私の身体はそういう指導のできない身体になってしまっています。それならば練習する生徒の姿をしっかりと見守る顧問でありたかったと思います。

浜中にはそういうお手本になる先生がいらっしゃいました。隣で見ていてこんな顧問の姿になれたらいいな、と思ってました。

 

私は走るのが嫌いでした。そんな私が生徒に自分が嫌いなことを押し付けていいのですか?幸い私の足の筋肉の筋肉量は多い方でした。今も筋肉の中にたくさんのコリがあって、ほぐすのに苦労していますが、マッサージで来ている先生のおっしゃるには筋肉量は患者さんの中でトップクラスだそうです。けっして長距離走でできた筋肉ではありません。

もちろん長距離を走ることが自分にとって楽しいと考えていることは私は否定しません。ただ自分が担当している競技の特性はきちんと捉えていきたいと思います。

やはりスポーツの基本は下半身です。アプローチは顧問によって違うと思いますが、選手それぞれの適性にあった指導ができるといいと思います。