続 現代史が疎かに…

やはり思った通りに方から反論をいただきました。しかし、現場の歴史教育では現代社会から取り残されていきます。私が退職前の中学校でもベテランの先生に限ってテスト範囲が守れない。熱心すぎて「削る」作業ができないのです。そして、近現代史が疎かになってしまう昔の教師になってしまうのです。しかし、入試や就活で近現代史がわからなければ使い物にならないのが現実です。危ないのは歴史好きの教師です。特に戦国時代などは鬼門です。幕末でいつまで「尊皇攘夷」にこだわっているのですか。そんなに吉田松陰を教えたいのですか?

幕末史は再評価が進んでいます。

我々も「地理上の発見」から「大航海時代」への転換を体験してます。まず、現場が複眼的思考に切り替わらないと日本の歴史教育はますます遅れてしまいます。しかし、全体的な視野の育成もなく「削る」作業はできませ。それぞれの時代の専門家がここは落とせ網羅主義の歴史教育からおさらばする時代へ進んできています。頭を切り替えて下さい。そりゃ考古学だってやりたいし、戦国時代もやりたい。でも逆に南北朝時代きちんとはなせていましたか?指導書を見たって根本的にわかるわけないです。本当にない、あそこは落とせない。と言ってられない危機的状況の中にいます。

秀才は秀才の勉強をしてください。それに若い教師たちが困るのです。彼らには全体の歴史像ができていません。好きな時代は自分で探して勉強する時代です。勉強の仕方を伝授しておけばいい時代になっていきます。

本当に歴史の教科書が一万ページになった時にはこの今までのやり方は通用しないのです。

わかって授業してましたか。指導書の板書例を辿るのでいっぱい。でしょう。誰がそれを執筆してきましたか?机上の空論はいい加減にやめてください。教科書の実態を目の当たりにしながら授業してきました。私にも専門分野があります。それでも一般教師ラベルを考えれば、覚悟すべき時期に来ていませんか。そういうことを偉い先生がおっしゃらないと本当に大変なことになりますよ。進学塾に任せてしまうことは任せて、学問の本質を教えないのですか。私は大学でE.H.カーの「歴史とは現代と過去の対話である」を学んできてます。現在起きていることを説明できない社会科教師じゃダメなのです。それが社会科の一般教養です。現在、世界中で起きていることは過去に遡ればいろいろと考えなければならないのです。しかし、それを全て網羅しようということは時代錯誤です。そういう教育を押し付け続ける偉い先生方こそ変わって頂かなければいけない時代なのです。権威のある先生方に退場していただく時代です。

私が教科書の検定前の白表紙本の校正にあたっていた当時も偉い先生方の高い壁があって、本文まで辿り着けませんでした。せめて図版を直したり、入れ替えたり、ちまちまやるしかありませんでした。反論したかったら、現役時代に教科書を最後まで教え切れたから思い出して下さい。