ミュンヘンオリンピック

ミュンヘンオリンピック。私は楽しみで仕方がなかった。男子バレーボールが東京で銅、メキシコです銀、もう金メダルしかない。テレビでも男子バレーボールチームのアニメ番組が流されて気分は盛り上がっていた。

しかし、そこにアラブのテロリストがイスラエル選手団を人質にとって立て篭もる事件が起きた。しかし、西ドイツ警察による救出作戦が失敗して人質全員及び警官も死亡してしまう。オリンピック史上あり得ない事件が起きてしまった。

オリンピックは中止すべきか、続行すべきかやれる中でIOC会長は続行を宣言した。オリンピックと政治の関係について毅然とした態度が示された。そのことによって男子バレーボールの金メダルなど感動があった。

さらに引き換え、私たちの世代のスポーツ選手にとってとんでもない悲劇が起きた。モスクワオリンピックである。当時のソ連によるアフガニスタン侵攻に抗議する形で西側諸国の多くが不参加を表明していった。しかし、4年に1回のオリンピックにピークを合わせることはアスリートにとって、大変困難なことなのです。私もささやかな横浜市大会、神奈川県大会に生徒たちのピークを合わせるのは本当に難しいのです。

参加を訴える柔道の山下泰裕レスリンクの高田、マラソン瀬古利彦…。涙ながらに訴える映像がTVで流れていました。しかし、いきなりそこへ政治家が割り込み、不参加となりました。その政治家もスポーツ選手経験のある人であったにも関わらずです。

次のロサンゼルスオリンピックは東側諸国が不参加という報復。政治家たちは何を考えているのでしょう。

一方でロサンゼルスオリンピックは大成功を収めます。組織委員長によってオリンピックが儲かるものに変化してしまったのです。

私も中体連で合宿をするのに生徒の参加費だけで足りると思いますか?全国大会の時、コートマットを使いました。コート一面分で100万円するのです。どうやってこの費用を用立てていたと思いますか。役員の先生の中には企業を回ってスポンサーをお願いしなければ大会はできません。

たかが県中体連レベルでもそういう苦労があります。まして、関東、全国となれば宿舎の確保は大変なことになります。

実際に2020東京オリンピックが予定通り行われた場合、高校のインターハイが関東開催だったのです。役員の方々の苦労はだったでしょうか。TOKYOと呼ばれて飛び上がっている招致委員会はそういう日程を理解していたのでしょうか。高校生にとってもたった一度のチャンスになるのです。

正直、あの時の招致に成功してニヤニヤしていた政治家たちの顔、そして、コロナ放電でいきなりの決断を下したのも同じ政治家ですよね。まるで自分が万能の神のような…

「花咲く頃に君たちは」の若者たちの叫び届いていますか?たった一度の青春を吹っ飛ばされた彼らの世代。どれだけ悔しかったのでしょう。自分がやってきた積み重ねが一気に消されてしまった悲しみを大人は心から共有できますか?

政治家たちは若者を何だと思っているのでしょう。

さらにスポーツの陰で利権を貪る大人たち。

スポーツをより良い環境で味合わせたい気持ちとそれに伴う費用、本当に現場は悩んでいます。