監督論

あの県大会準優勝の5ヶ月間。他の監督ならどうだろうか、比較して見たい。菅野先生でも平木先生でもどこかで動くと思う。相手に考えさせるために、そういう工夫をしてくると思う。今、明かすと中側の第一ダブルスは練習していた。実際に関東合宿で県大会優勝ダブルスに勝ったのはそのオーダーである。ぜったいに使いたくなるオーダーだ。県大会決勝にそのオーダーを使えるなら使っている。しかし、中側はどんなに勝ち気で動き回るとしてもあの日の中側にかかっていた精神的負担はものすごかった。一瞬たりとも気の抜けない状況にいた。準決勝の始まる前の時点で限界が見えていた。私としては「耐えてくれ」という思いだけだった。たぶん菅野先生も平木先生も動いたと思う。しかし、その結果むしろ逆の目に出たと思う。

3月の合宿から見ていて中側は意気に感じて動く生徒であると私は感じた。だから一旦任せた限りは一切口出ししなかった。中側は菅野先生から私にバトンタッチした時点でぽぽ100%私を信じてくれていた。目もくれずについてきてくれた。吉橋と星野はずっと私を疑っていた。そりゃ魔法のようなノックを繰り出す菅野先生の後にプレーヤーでない顧問が来たわけで練習は基礎練ばかりだし、何度もダブルスを入れ替えれば勝てるのに、とねじ込んできた.それを私は無視し続けた。だから大会当日のオーダーを見て喜んだし、お前たち次第なんだ、というメッセージが伝わったと思う。そこから1日ずっとお前たちを信じてるぞ。という気持ちは伝わったと思う。関東大会の試合の終わった後、完全にあの二人は精神的な開放感でいっぱいになっていて.私の携帯にものすごい量のメッセージを送ってきた。本当に深夜までしつこく続いて私の睡眠時間を削ったしまった。そのくらいあの関東大会の入場行進できたという嬉しさが爆発していた。

プレーヤー出身でない顧問は選手の性格を把握し、我慢し続けられるかが勝負だと思う。だから菅野先生にしろ、平木先生にしろ最後の勝負になれば互角以上に戦える自信が私にはある。素人監督だからこその開き直りである。本橋くんはっきり論外である。蝋山は多少わからないところがある。佐野くんはあまりにも自分のプレーヤーとしての実績に頼りすぎていると思う。復活した時点で彼らがどう感じるか。もう金剛地なんて過去の人だと思ってくれれば痛い目に合わせたいと思う。まだ私は死んでない。